ギャップ萌え
突然ですが、みなさん。
『数学』と聞くと、どんなイメージを浮かべるでしょうか。
耳を澄ませてみましょう。
どれどれ…
「神秘的」
「格好いい!」
「数学してる貝さん、大好き!」
…はいはい、なるほど。
全く、みなさん正直なんだから…
ファンレター、いつでも受け付けてますよ。
※耳鼻科に行ってきます。
実際、難しい、とか
これ何の役に立つん?とかってイメージの方も、多くいらっしゃると思います。
後者の問いに関しましては、まぁほぼ何の役にも立たないので、一旦置いといて。
(教育方面から怒られそうです)
前者ですね。
「難しそう」ってイメージ。
まぁ、実際難しいんですけど。そりゃもう。
でもたまに。たまにですよ。
「これ考えた人、もしかしてあほでは⁇」
って、思うような話があるんですよ。
今日はちょっと、そのうちの一つ。
『位相』について、紹介していきたいと思います。
突然ですが、みなさん。
これは何でしょう。
はい。十円玉ですね。
まごうことなき十円玉です。
では、次。
これは?
地球ですねぇ。
まごうことなき地球。
完っ全に別物ですよね?
普段僕たちが十円玉の上に住んでて、地球を払って買い物してる、と勘違いされてる方…、いないですよね?
ところがですよ。
数学者、特に『位相幾何』とかいう畑に住んでる人たちには
この二つ、同じに見えるんです。
意味わかんないでしょう?
もう少し、紹介していきますね。
こちら、五円玉です。
客観的に、私情を交えず申し上げて
少なくともこいつのほうが、地球よりかは十円玉に近いと思うんですよ。
ですがこれ
別物なんです。
数学者は、十円と五円はしっかり区別してるんですね。
じゃあ、五円玉の仲間は何かというと
例えばこちら。
ドーナツですね。
察しのいい方なら、もしかするともうおわかりでしょうか。
そう。
数学者、位相幾何の分野において、重要なのは「穴の数」なんです。
だから彼らは、五円玉と十円玉は区別できても
一円玉と五百円玉は同じに見えてます。
買い物の時が心配ですね。
わかりやすいイメージとして、全てのものが粘土とか、柔らかい素材でできてるって思ってください。
で、「切る」ことと「貼る」ことはダメだけど、その他自由に形を変えていいよー、て言われたとします。
あ、サイズも自由です。ぎゅってやったら小さくなるし、わってやったら大きくなります。
そんなイメージで、改めて比べてみると
確かに、十円玉は地球と一緒だし、五円玉はドーナツと一緒ですね。
でも、「切れない」し「貼れない」から
十円玉は、五円になれない。逆も然りです。
………
いや、違くね⁇
そうでしょう。至極もっともな突っ込みです。
確かに、サイズ感自由な粘土でできてたらそうですよ?そうだけど…
でも、十円玉って、粘土じゃないじゃん。
当たり前ですね。
小学生でも知ってます。
けれど、こんな風に考えて議論していく数学の分野が、確かにあるんですよ。
面白くないですか?
僕達は普段、数学者って厳密で、無味乾燥だってイメージを抱きがちですが
あいつら、こんなテキトーなことするんですよ。
で、この分野で
思わず笑っちゃった話があって。
さっきのドーナツ
界隈では、『トーラス』なんて呼ばれたりするんですけど。
なんか、数学っぽい画像。
ドーナツとか、浮き輪とかの形ですね。
で、こいつの『表面』を考えようって思ったら
それ、もう『紙』一枚と、おんなじらしいんです。
いや、どういうこと?
僕も思いました。当時。
こういうことなんですねー↓
くるって巻いて
くるって丸めて
ペタッ‼
…いや、ペタッ、じゃねぇよ。
笑っちゃいません?
こんなことを、大学の偉い教授の方とかが
至極まじめなテンションで話してるんですよ笑
これ聞いたとき、思いましたね。
「数学者、あほだなぁ」
って。
なんていうか、基本的に数学は難しくて
複雑な学問だ、っていうのは間違いないんですけど。
だからこそ、不意にこういう話が来ると、力抜けちゃいますよねぇ。
ギャップ萌え、ってやつですね。
ちなみに、ペタッ!のシーンで
「いや貼ってんじゃん」って思った方。
数学の才能があります。
地球が十円玉に見える日も遠くはないでしょう。
全くもってその通りで、「切る」「貼る」という行為が全面的に禁止されているわけではないんですよ。
決められた手順をしっかり踏めばOKで、特に「貼る」なんていうのは、結構要所で使われてますね。
とりあえず、数学って一口に言っても色々な世界があって
中にはこんな、雑なくくりで物を考えてる変人(いい意味で)達もいるんですよ。
ちょっと、親近感わきません?
これからもし道端で、のらの数学者を見つけても、優しく接してあげてください。
意外と、チャーミングなやつらなんです。
ではまた次回!