貝が喋る

あぶくのような言葉たち

ヒモ野郎

どうも、貝です。

 

僕は基本的に、僕は社会情勢とかってものにはあんまり興味がないんですよ。

テレビ売るくらいだし。

 

僕の興味の範囲って、大体半径三十メートルくらいなんですけど、目安。

だから政治とか、芸能人の不倫とか、遠い世界の出来事はどうでもいいなーって思ってまして。

 

でも、最近例のウイルスが蔓延してきて。

僕が変わったってよりかは、あいつが勝手に三十メートル以内に入ってきた感じですね。

 

その影響で改めて、僕はウイルスについて何も知らないなってことに気づいて。

で、軽く調べてみたんです。ウイルスとは何か。

 

いやぁ。

ヒモっすね、あいつら。

 

あいつら基本的に、膜+DNA(RNA)みたいなシンプルな構造のやつばっかで

だから、自力じゃ殖えらんないらしいんですよ。

 

じゃあどうやって繁殖してるかっていうと

人間や鳥、その他いろんな動物たちの細胞に、間借りするわけです。

 

「おじゃましまーす」って。

 

で、僕達の細胞が頑張って自分の遺伝情報を増やしてるそのサイクルに

ずうずうしくも割り込んで、自分の遺伝子も増やしちゃうっていう。

 

ヒモ野郎でしょう?

 

自分は努力しないで、他人が頑張ってるのに便乗して甘い汁啜ってるわけですよ。

羨まし…けしからん輩ですね、全く。

 

そういう理由から、治療が難しいらしいですね。

細菌だったら、その細菌だけ殺せばいいけど

ウイルスは僕たちの体の仕組みに入っちゃうから、僕達の細胞は傷つけずに、ウイルスだけを殺すって、大変みたいです。

 

で、調べてみて、不思議に思ったのが

 

ウイルス、別に害はなくない?
 
ってとこなんですよ。

 

現実世界で考えてみましょう。

現実世界のヒモ野郎は、僕達が汗水たらして稼いだお金で、放蕩三昧の日々を送ってやがるじゃないですか。

これは明確に、僕達に害があるんですけど。

 

でも、ウイルスって別に、そいつが入ってきたからって

例えば細胞の仕組みが壊れるわけでも、遺伝情報が書き換わっちゃうわけでもない。

 

癌とかって、そういうものみたいですけどね。

遺伝情報を複製する過程でミスがあって、それがどんどん広がっちゃった、みたいな。

 

でも、ウイルスはシステムをちょっと借りて、ついでに増えてるだけですから。

 

例えるなら、僕達の定期預金に自分のお金もついでに預けて

一緒に増やしてもらおうかな、って感じだと思うんですよ。

 

確かに、気持ちのいいものじゃないですけど…

でも別に、僕達に明確な危害はなくないですか?

 

と、その辺の疑問をですね。

知り合いの、薬学部所属の超ハイスペック。

三度の飯よりネズミの解剖、女にかまけて浪人しながら、翌年学部二位の成績で入学した男

K君に伺ってまいりました。

 

思った通り、彼はしっかりその辺のことを勉強していて。(専門ですしね)

かいつまんで、以下のようなことを教えてくれました。

 

  • 人間の免疫システム的に、体内で変なことしてる→悪いやつ、と認識しちゃう
  • けどウイルス的にも、宿主に死んでほしくない
  • だから増えるだけ増えて、宿主が参る前に逃げ出す発症直前に感染力があがる

なるほどなるほど。

寄生するだけ寄生して、こっちの懐が参ったらとんずらと。

 

とんでもねぇヒモ野郎ですね。

 

とはいえ、確かにシステムとしては面白い。

自力で増えるんじゃなくて、他人に増やしてもらうっていう。

 

こういう風に進化すると、楽だし体内に入れれば無敵かもしれませんが

外にフヨフヨ浮いてる状態では、ただの無防備なザコですからね。

 

あいつらなりに、リスクのある進化を遂げているといえるでしょう。

アルコール除菌など、地道な対策が有効といわれる所以ですね。

 

色々調べてみて改めて、自分が何も知らなかったんだなぁって実感しました。

 

ウイルスは、ヒモ野郎。

 

心に留めて、生きていきたいと思います。