貝が喋る

あぶくのような言葉たち

もしかして…

今回のトピックは、「服」ですね。

 

高校時代などはどちらかというと、僕はあまり服装などには興味ないタイプの人間でした。

 

自分で言うのもなんですが、僕の顔って、本当に「50点」なんですよ。

 

イケメンでもなければ、ブ男でもない。

街を歩いたら、5分に一人は見かけるような、平凡な見た目です。

 

そこに僕自身の性格も相まって、あまり見た目を気にしないタイプの人間なんですね、僕は。多分。

他人の見た目に口を出すこともほとんどなければ、自分の見た目にこだわることもあまりしない。

 

大学に入って、自分でいろいろな店を回ったりして

好みのショップができたりもしたんですが、僕はもともとシンプルなものが好きなので

結局、可もなく不可もない、平均的な男子大学生の服装に終始していました。

 

ですが、最近。

地元に帰った際に、高校時代の一番の親友に、誕生日プレゼントを貰いまして。

 

それが、すっごくオシャレなシャツだったんですよ。

ダーツバーの店員さんとかが着てそうな色合いの。

 

プレゼントしてくれたそいつは、癪なことにイケメンで、普段から結構オシャレな服着てるタイプのやつなんですよね。

正直、もらった時の第一印象は

「あ、こいつならうまく着こなすんだろうな」

でした。

 

そいつは多分、服装とかに興味ない僕を気遣って、ていうより

純粋に好奇心

「あいつこれ似合うんじゃね⁈」

っていうテンションで選んでくれてて

 

でも、やっぱ僕がそこまでこだわりとかないの分かってるから

渡すときにさりげなく、合わせやすそうなコーディネートとか示唆してくれたんですよね。

(これも気遣いってよりか、マジで格好いいと思ったイメージをそのまま教えてくれた感じなんですけど)

 

それが僕、結構嬉しくて。

そいつが選んでくれた服なわけだし、せっかくだから自分で一式見繕って合わせたいなって思ってたんですよ。

 

でも、そいつが渡してくれるだけあって、自分が普段は着ないような色合いなんです。

 

自分の今の手持ちの服じゃあ、どうにも見合うものがない。

かといって、あいつに言われた通りに着こなすのも、それはそれで癪…

 

と、半ばタンスの中に放置…

来るべきチャンスを待ちながら、月日は流れていきました。

 

 

はい、ここまでが第一幕です。

 

ちょっと今回は長いですからね。

読者の皆様も、ここらで一服してください。

あ、お土産なども今のうちに見ておくといいですよ。

 

 

さて、第二幕。

 

 

先日、大学の友達と

「彼の友人の誕プレを一緒に選ぶ会」

を開催していたのですが

 

その時彼に、彼お気に入りのブランドショップに連れて行ってもらったんです。

 

そこの服は、ちょっと独特なデザインセンスで、かわいいお化けや忍者などのキャラクターをあしらったデザインが多かったのですが…

 

もう、惚れちゃいまして。

 

びっくりしましたね。

今まで、こんなに服に対して

「これめっちゃいい!」

とか

「これ最高!」

とかって、感じたことがなかったので。

 

もう、その場で二着ほど、勢いで買っちゃいました。

 

どちらかというと、無難とは言えないデザインです。

僕と好みの合わない人は、「センスがない」と断ずるでしょう。

 

しかし、そんなことはどうでもいい。

 

僕が着たいから着る。

そんな風に、思えたこともまた、初めての経験でした。

 

 

ふぅ。

ここまでが第二幕。

 

前置きが長くてすみません。

第三幕、ここからが本題です。

 

 

今日、僕はまた別の友達と遊んでいたのですが

その時、先日買った例の服と、かの友人にもらった服を、重ね着して出かけたんですよ。

 

自分的には、少し派手すぎるかもしれないと思ったけれど、

まぁ近しい仲だし、あいつに何言われても別にいいやー、くらいの気持ちで。

 

それでも、自分が着たい服、それに友達が自分のためにくれた服を着て外に出ると、自然と気持ちが高揚しました。

 

さて。

いざ友達の家についてみると。

 

普段、服のことなんて全然気にしてない

一年通してオレンジ色のジャケット羽織っているようなそいつが

 

「何か今日、オシャレな服着てんじゃん」

 

とか言ってきたんですよ。

 

いや、正直、驚きました。

どうせ何も言ってこないから、僕から自慢してやろう、くらいの気持ちで向かったのに!

(舐めててスミマセン)

 

でもやっぱり、嬉しかったですね。

 

で、大事なことなんですけど

 

この時に感じた嬉しさって

「格好いい」「オシャレ」って言われたことに対する嬉しさ…

 

じゃ、ないんですよ。

 

自分のセンスを、受け入れてもらえた。

自分と、友達が同じものを好きだった。

 

そういう嬉しさなんですね、これ。

 

例えるなら、自分が好きなアニメのキャラのキーホルダーをバックに着けていて

それを見つけた友達が

「俺もそのアニメ好きだよ」

って言ってくれたような、そんな気持ち。

 

それでね、学んだんです。

 

今まで正直、特に女の子が服装とか化粧とかアクセサリーとか

頑張って着飾る気持ちが、よくわからなかったんですよ。

 

でも、いざ自分が着たいと思った服を着て。

それを(男にだけど)褒めてもらえて。

 
オシャレは
  • あくまで自分のためにやっている
  • 褒められてうれしいのは、自分のセンスを相手に受け入れてもらえたから

そんなことを、20年以上生きてきて、今日初めて実感しました。

 

もちろん、違う考え方をする人もいるのでしょうが。

でも自分が、こんな経験をすることで、もっともっと周りの人の服装や身だしなみに興味が持てるような気がしました。

 

やっぱり、自分で経験してみるって大事ですね。

 

…と、いうことはもしかして…

 

女装してみたら、より一層女の子の気持ちがわかるのでは?

 

絶対そう。

化粧とか、やってみないとわからないって言いますもんね。

 

よし、早速街へ出て買い物を…

 

…え?

いやいや、冗談ですよ?

まさか本気で僕が女装なんて…

 

あ、待って、ムダ毛を丁寧にそるのやめてください。

そこ、化粧の下地作んなくていいから。

え、何そのウィッグ、ちょ、ま、やめ…

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!………