世界の半分
魔王っているじゃないですか。
はい、そうです。魔界とかに住んでる、あの魔王です。
紫の服着て、杖とか持っちゃって、ってイメージでOKです。
RPG,有名なところでいくと「ドラゴンクエスト」シリーズなんかによく登場しますよね。
最近では流行りに乗って、ライトノベル、異世界転生ものなど、ますます活躍の幅が広がっています。
魔王といえば、あいつらよく
「世界の半分をお前にやろう」
っていうじゃないですか。
こんな感じ。
甘い言葉で、勇者をたぶらかそうとする魔王。
どんなストーリーでも、勇者はそんな魔王の誘惑を跳ねのけ、見事世界を救うのですが…
仮に、仮にですよ。
勇者がこの誘いに乗ったとして。
弁護士の立会いの下、正式な書類に署名捺印などしたとして。
僕はどうしても、一つの疑問を禁じ得ないんですよ。
それは…
「世界の半分って、『どう』半分?」
気になりません⁉
魔王は、世界の「半分」といっただけで
具体的に、「どう」半分に分けるかには言及していないんですよ。
このままでは、勇者が詐欺同然の契約に乗ってしまうかも…
勇者の命運、しいては世界の行く末が危ない。
というわけで、今回はいくつかの説を検証してみました。
①人口説
これが一番平和ですね。
人口が多い町、というのは、えてして資源も豊富だったりするもの。
資源のあるところに人が集まり、交易があり、町が栄えていくのです。
ここで、(おそらく)元祖世界の半分、『竜王』の登場するドラクエ1のワールドマップを見てみましょう。
はい、このようになっております。
恥ずかしながら、僕はドラクエはⅨでデビューした口で、それ以外は未プレイなのですが…
知名度や配置から察するに、『ラダトーム』とやらがおそらく最大の町。
次いで城下町として栄えた『リムルダール』、そして『ドムドーラ』、『メルキド』『マイラ』『ガライ』といった感じなのではないでしょうか。
(間違っていたらすみません)
だとしたらおそらく、契約の優位性から考えるに
勇者
- ラタドーム
- メルキド
- マイラ
- その他周辺の洞窟、施設
魔王(竜王)
- リムルダール
- ドルドーラ
- ガライ
- その他周辺の洞窟、施設
といった感じになるのではないでしょうか。
細かい部分で各自要望はあることでしょうが、そこはお互い上手く擦り合わせていくことでしょう。
おおむね、公平な結果になったのではと思います。
問題は、ここからです。
②面積説
※ここからは、ドラクエ1の世界が、地球と同じく球体の星であると考えて話していきます
結論から言うと、これはちょっと、危険な分け方です。
一見問題ないように思えるこの分け方。しかし面積となると、そこには当然『海』も含まれます。
もう一度、マップを確認してみましょう。
海の割合が、小さいのがわかりますよね。
これなら別に、面積で分けても問題ないのでは?
都市の位置とかを上手に決めれば…
などと思ってしまいますが、そう、忘れてはなりません。
僕達が普段使っている地図は、メルカトル図法。
緯線と経線が直角に交わるため、角度が正確に表記されますが、面積は正確ではありません。
高緯度に行くほど、実際の面積よりも大きく表記されてしまいます。
百聞は、一見にしかず。
面積の正確な、モルワイデ図法でかかれた地図をご覧ください。
アラスカやアルゼンチンが、上の地図よりだいぶ小さく見えますよね。
そしてもう一度、ドラクエ1のマップを確認してみてください。
海があるのは真ん中で、上下に大陸が集中していませんか?
地球の表面積の、約7割は海であるといわれています。
このことと、先ほどの地図
そして図法による歪みを考慮すると
一見海の少ないこの世界でも、目算ですが半分弱が海洋であると思います。
だからもし、面積で分けてしまったら…
勇者
- 海
- あと洞窟とか
などということになりかねません。
ひどい話ですよね。
しかし、こんなのはまだ序の口。
本当の恐怖は、ここからです。
③体積説
みなさんもご存知の通り、地球はとても大きな球体です。
そしてその内部は、外側からざっくり
これを体積で分けようとすると、どうなるか。
地球の半分の体積の球体を作ろうとすると
その半径は、およそ5056km。
上の図で言うと、内核、外核、あとマントルを厚さ1600kmほど。
これで『半分』です。
魔王「俺表面と、マントルのちょっともらうから、内核と外核は君のものね!」
勇者「!!?」
完全に悲劇。
勇者はとりあえず、地面を1300km掘り進めるところから始めなければいけません。
さいわい、物語に登場する勇者は、誘惑に負けない心を持っていましたので
世界の半分どころか、全て救い出して平和をもたらしてくれました。
しかし、彼はあくまでも『勇者』です。
一般人である我々は、えてして誘惑に弱いもの。
スーパーへ買い物へ行こうとしていて、道でばったり魔王に会った。
仕事帰りにふらっと立ち寄った居酒屋で、たまたま隣に魔王がいた。
こんな時にふと、魔王から声を掛けられるかもしれません。
「世界の半分、欲しくない?」
何とも魅力的な誘いです。
しかも相手は魔王。普通だったら、スクリーン越しでしか会えない存在です。
つい舞い上がってしまうでしょう。サインとか貰っちゃおうかな。
しかし、慌ててはいけません。
その甘い誘いの裏には、あなたを陥れる罠があるかも。印鑑はまだしまってください。
ここはいったん、冷静に。
メタパ二されずに、尋ねましょう。
「その半分って、『どう』半分?」
魔王の誘いと貝のブログは、最後まで目を通すのが吉m(__)m
ではまた次回!