貝が喋る

あぶくのような言葉たち

どうでもいいけど…

どうも、バイト帰りの貝です。

 

ざっくりというと、僕はホテルの受付的な仕事をしているのですが

今日は職場であった、ちょっとした出来事について書いていきたいと思います。

といっても、あまりお客様のことをこのような場所につまびらかに書くのはよくないと思うので…

おおまかに、伝えたい部分のみをかいつまんで、ですね。

 

 

そのお客様は、ご予約ではなく飛び入りでご来店されました。

 

僕のホテルは少し変わっていて、受付と客室とがちょっと離れた場所にあるんです。

お会計などを済ませ、客室にご案内するため、僕はお客様と並んで歩道を歩いていました。

 

ほんの2、3分の時間なのですが、何も話さずに歩くにはいささか長く感じるもの。

場を繋ぐために僕は、彼女(女性のお客様でした)に他愛もない質問を投げかけました。

 

「観光など、されるのですか?」

 

というのも、彼女はさきほど受付で、とある観光地の場所やアクセスについて尋ねていたのです。

 

もちろん、お客様にはそれぞれ都合がありますし、それを僕達従業員が詮索するべきでは断じてありません。

ですので僕の質問も、答えたくないのであればそれとなく濁してくだされば結構でした。

 

特に問題がなければ、軽く雑談してもよい。

とにかく場を埋めるためだけの、本当に、他愛もない問いかけです。

 

「彼氏に、浮気されまして。」

 

…ん⁇

 

ちょっと待て。

いったん整理しよう。

 

僕は今

「観光など、されるのですか?」

って質問したよな?

 

えー…と、なんて言った?彼氏に…?

 

理解が追い付いていない僕に、彼女は矢継ぎ早に、次のようなことを話してくださいました。

 

  1. 彼氏に浮気をされた
  2. 浮気をされた上に、逆ギレされた
  3. 逆ギレして、はさみを使ってリスカし始めた
  4. そしてアパートを追い出された

 

重いオモイomoi!!

 

え、なんでそうなった⁉

他愛もない質問だったじゃん‼

 

「私が契約していたアパートなのに…」

「浮気したのに、別れたくないって言ってくる男って、何なんですかね…?」

 

知らねぇよ‼

僕、ただの従業員ですから‼

そういう話はスタバで、フラペチーノでも飲みながら、高校からなんだかんだ顔合わせてるユミちゃん(仮)にでもしてくれます?

 

…とりあえず、あいまいに笑って流す僕。

徒歩数分の道のりが、今までで一番長く感じられました。

 

その後、ごくごく事務的に、施設の案内を終え

彼女を部屋までお連れして、僕は受付へと戻りました。

 

しかし、帰りの道のり。

どうしても、先ほどの話が頭から離れません。

 

間違いなく、僕がバイト中に聞いた話の中で、一番のインパクトを誇っています。

冷たい夜風に吹かれる僕。街灯の下で茫然と、こんなことを考えていました。

 

…はさみで、手、切れる?

 

え、だって、はさみですよ?

あいつら、名前の通り「はさむ」ことで初めて力を発揮するじゃないですか。

それを包丁のように使っても、手どころか紙一枚すら切るのは難しいんじゃ…

 

いや、どうでもいいんですけどね?

一昨日使われた綿棒の数、くらいどうでもいいんですけど。

でもやっぱり、気になってしまう…

 

めっちゃ頑張ってみたのかな…

それとも、普段からいざリスカするときのために、しっかりはさみを研いでたのかな…

 

一度気になりだすと、疑問の波紋はどんどん頭に広がっていきます。

 

しかしもちろん、お客様にお尋ねするわけにもいかず…

悶々としながら、その後も業務をこなしました。

 

 

まぁ、逆に考えると、所詮はさみですからね。

 

彼氏さんもおそらく、大事には至っていないでしょう。

彼女さん、置いて出てきちゃうくらいだし。

 

別れたくない、という気持ちもあるようですし

円満に収束するといいですね。

どうでもいいけど。

 

…僕だったら、絶対浮気なんてしないんですけどねぇ。

家事だってするし、毎日褒めるし、バイト帰りにパピコとか買ってくるし…

優良物件だと思うんですけどねぇ?

 

あ、最後まで読んでくださってありがとうございます!

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